1937年の『ピータァ・パン』

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今回の北星写真部の部展は、学園祭の展示のひとつ。その出店の中にあった、北星の先生方の蔵書蔵出し古本市で、こんな本を見つけた。

『ピータァ・パン』(岩波文庫)。もちろんあのJ・M・バリの『ピーター・パン』なのだけど、タイトルが右から左書き。本文が旧仮名遣い。奥付を見ると…「昭和十二年十一月二十日 第六刷發行」。
つまりこれ、68年前の『ピーター・パン』なのです。それにしてはあまりにもきれいな表紙。岩波文庫の外国文学の目印・赤帯もほぼ完全なかたちで巻き付いていれば、本文もほとんど赤茶けていない、書き込みや折り曲げもない、すばらしく美しい本。しかもただでいただいてきた(寄付金制だったので気持ちをちゃんと入れてきたけど)。

そういえばこの物語も舞台はロンドン、ケンジントン・ガーデンズ。こないだの旅で行ったハイド・パークのお隣で、ちゃんとピーター・パンの銅像もあるのだ。文庫の文頭には絵地図もついている。もちろん右書き、旧漢字、旧仮名遣い。でも、読み始めてみると意外に難しさがない。まぁもともと童話だというのもあるが。さすがに言い回しに”乗合自動車”なんてのが出てくるのが時代である。

子供以来の、しかも旧仮名遣いで読む、1937年の『ピータァ・パン』。表紙が見たくて、帰りにさっそくビニールのカバーを買ってきてしまった。手元にあるだけで、読んでるだけで、シアワセなのである。

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Yuuki URYU

この「私信」を書いている人。 北海道・札幌を拠点に、写真作家として活動。他にも紙媒体を中心としたデザインの仕事や、編集・インタヴューからラジオパーソナリティの経験など、もはや自分は何屋なのかと思い続けて幾星霜。 昨今のSNS的/メッセンジャー的レスポンスに疲れて、ただ「私信」を書いてみたいと思い、実は2004年から設けているこのブログを復活。