個展を振り返って……Hello, I’m Here, Everywhere!

9de23c21.jpgいつもそうなのだけど、個展やグループ展が終わったあとの何日間か、僕は放心状態になります。
展示の搬出が終わるその時まで、ここちいい緊張感の中に僕はいて、その緊張感とは、なかなか言葉にはできないけれど、それは展示をさせてもらっている会場の空気と、それを見に来て下さるお客さまと、自分の作品と、そしてなにより自分自身との対話の中にあるのだということを、何度も展示をさせていただく中で感じるようになりました。で、その日々が終わると、自分の中に満ちていた、自分の心の中の大きなスペースを占めていたものが抜けて、まったくのからっぽではないのだけど、ぽっかり抜けた空間が心を支配していることに気がついて、あぁ、終わっちゃったんだなと思うのです。
ようやく、落ち着いてこの二週間、いえ、個展に至るまでの日々を振り返ることができています。


今回の作品は、心理的にも物理的にも、ここ何年かでいちばん写真が撮れなかった時期の僕の写真です。写真を撮りたい、写真と向き合いたいという思いと、その時間すら取れない現実とのギャップの中で、それでも撮っていた写真たちです。
僕は、写真を撮れる環境に身を置くという選択をしました。ここで写真をやめてしまったら、なんてことは、考えられませんでした。幸い、働きながら撮り続けられる環境に身を置くことができそうです。それはいまの社会情勢の中では、かなり幸せなことだと思うのです。
個展もそうでしたが、たくさんの方々に支えていただいているからこそ、僕があります。その気持ちに少しでもお返しができるように、自分のいちばん得意なもの、自分の想いを純度の高いまま届けられるものでお返しできるように、磨いていくのみです。

さぁ、このぽっかり開いた空間に何を再び詰め込んで、自分のものにして、再び世に問うか。
ものを創る人は、この繰り返しなんだ。いま、ひしひしとそう思います。
今回の個展のタイトル・[Hello, I’m Here!]は、僕がこれからどこに向かって歩いていこうと、どこにいようと、二本の足でしっかりと立つその場所こそが僕の原点だ、そんな思いを再確認したくて名付けました。
これからも、僕はいつでも”ここ”にいる。その気持ちで、これからも撮っていきます。

…今回はこの放心状態+疲れがどっと出て風邪を引いてしまいました。搬出日、会場に向かう途中で吐いてしまい辛かった(^^; でももう大丈夫ですよ。毎冬一度は大きな風邪を引く僕だけど、今年の回復は早かった。なんたってロンドン行きが控えているので。出発はいよいよ木曜日。ここ&days clipも旅先からアップしますよ。
入れ物はたっぷり空いてます。だから、どんな新しいもの・ことを詰め込んで帰って来ようか。もう楽しみでしかたがないのです。

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Yuuki URYU

この「私信」を書いている人。 北海道・札幌を拠点に、写真作家として活動。他にも紙媒体を中心としたデザインの仕事や、編集・インタヴューからラジオパーソナリティの経験など、もはや自分は何屋なのかと思い続けて幾星霜。 昨今のSNS的/メッセンジャー的レスポンスに疲れて、ただ「私信」を書いてみたいと思い、実は2004年から設けているこのブログを復活。